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ディープラーニングG検定(JDLA Deep Learning for GENERAL 2018 #1)を受験した

JDLAのディープラーニングG検定を2018/06/16に受験したので、勉強方法や出題傾向、感想などを書いてみる。
公式サイトはこちら。
協会活動 | 一般社団法人 日本ディープラーニング協会 Japan Deep Learning Association

きっかけ、事前知識

インフラ勉強会(https://wiki.infra-workshop.tech/)のディープラーニング回にて、発表者の方がこの検定取得を目指していることを知る。
申し込み受付中かつ試験まで丸々3週間というところだったので、これは間に合うのでは?ということで申し込み。

大学時代に機械学習/統計解析の研究室にいたので、ある程度の下地はあり。
研究にはニューラルネットワーク&強化学習を利用していたので、その辺りはそこそこわかるつもり。
ただその頃はディープラーニングが流行る直前くらい(2006年~2010年あたりかな)の時期だったので、最近の手法は知らない状態。

どんな試験か

推薦図書は下記の3冊。

小問が228問と聞くとかなり多く感じるが、文章の穴埋め1つで1問という数え方なので、実際に解くとそこまで時間はツラくない。

勉強方法

試験まで3週間とそこそこ期間があったので、推薦図書は一通りなめる形で勉強を進めた。

  1. 推薦図書を一通り読む。順番は「人工知能は人間を超えるか」→「AI白書」→「深層学習」
  2. シラバスに沿って各推薦図書から要点を抜き出した資料作成(Word)
  3. ネット上の受験記を探して情報収集+公式の例題をもとに資料を肉付け
  4. 作成した資料を覚える

推薦図書ごとのおすすめの読み方、出題傾向は下記の通り。

人工知能は人間を超えるか
内容的にディープラーニング学習の導入にぴったり、ボリュームも手頃で読みやすいため、最初に読むことをおすすめ。
シラバスとの対応としては、「人工知能(AI)とは(人工知能の定義)」「人工知能をめぐる動向」「人工知能分野の問題」あたりに相当する。
範囲的にはAI白書と被る部分もあるが、用語の説明はこちらの方がわかりやすい。
将来的な話も後半多いが、その辺りは置いておいて人工知能の歴史とキーワード、ディープラーニングの概要、何がすごいのか、をこの本でおさえるとよい。
直接的に問題として聞かれる内容はそんなに多くはないという印象であった。

・AI白書
白書という名前だけあって網羅的な内容になっており、すべてを覚えるというのは難しい。
最初から最後まで一応目を通したが、途中から文字列を脳に流し込むだけの状態になっていたので、通し読みする価値があるかは疑問。
試験対策としてはシラバスと対応する箇所を探し、用語や重要そうな事例に絞って覚えるという使い方がよいだろう。
シラバスとの対応としては、ディープラーニングの具体的な手法を除いたほぼ全範囲に関連している。
ディープラーニングの研究や応用、法律、倫理や現行の議論といった話はこの本にしか無いので、そこは重点的に読み込むとよい。
扱う範囲が広いこともあり、ここからの出題比率は高い印象であった。(問題文にこの本を出典としている旨が書いてあるものもあった)

・深層学習
ディープラーニングの具体的な手法や計算方法、テクニックについての本。
数式が結構出てくるが、試験にはほぼ出てこないので、文章や図から読み取れる考え方だけ理解しておけばよい。
シラバスとの対応としては、「ディープラーニングの概要」「ディープラーニングの手法」あたりに相当する。
計算問題(順伝播の計算と偏微分とCNNのパディング、ストライド後画像サイズ)やディープラーニングにおけるテクニックについてはこの本から出ているという印象であった。

試験を終えて

問題量が多いとの評判だったため、わからない問題は悩まずにチェックして次に進むという方法で解いたところ、70分程度で1週目の回答が終わった。その後チェックを付けた問題の2週目を解いて回って時間いっぱいという感じであった。
参考図書には無かったと思われる問題もそこそこあり、機械学習や統計解析の手法のあたりで特に多く感じた。(参考図書はあくまで"参考"ということなんでしょう・・)
全然わからんなーとなった問題で覚えているのは下記の通り。

  • アーサー・サミュエルによる人工知能の定義(参考図書にあったかも?)
  • SVMとスラック変数、カーネル法カーネルトリック
  • ロジスティック回帰
  • 交差検証の方法
  • 汎化誤差のバリアンス、バイアス、ノイズ
  • カプセルネットワーク
  • 後半の法律、倫理、現行の議論の問題全般

機械学習/統計解析手法のところは、1つの話題で数問聞かれるので、全然知らない話題だと結構ショックを受ける。
法律、倫理、現行の議論のところは、「上記はいずれもあてはまらない」のような選択肢が大体最後に付いていて、正確に覚えていないと回答は困難であった。しかしこのあたりの話題を自信持って答えられるほど勉強はしていないので、適当に回答。

自宅での受験という受験形式は初だったが、選択問題ということもあり環境的には特に問題なし。
前回と問題がどのくらい変わっているかわからないが、この受験方式だと過去問出回った途端に合格率が跳ね上がりそうなものだが、大丈夫なんだろうかと心配になる。
受験後の感触は、大問の中の小問が全部合ってて正解方式だと厳しいかもしれないが、小問単独で得点がもらえるなら十分合格していそうというところ。
結果は1週間とわりとすぐに出るようなので、期待して待ちましょう。

まとめ

急に受けることにした試験だったが、ここ数年のAI技術の概要は掴めたと思うし、ジェネラリストという名前の通り、これに受かる知識があればビジネスでAIの話をするレベルになれる良試験だと感じた。
受験料が高いという話もあるが、G検定ならまだ個人でも手が出る程度だし、E検定もベンダー系の資格と思えばそんなに高くはない・・・かも(私は受けない)。
ディープラーニング検定といいつつ実態は人工知能検定なので、名前を変えたほうが受験者増えるんじゃないのという気はする。
開始して間もない試験で、持ってると少なくとも話のネタにはなると思うので、人工知能気になるけどなかなかきっかけが無いという方におすすめの試験です。